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源氏物語&古典文学を聴く🪷〜少納言チャンネル&古文🌿

少納言チャンネル🌷は、古典や漢文、文学の朗読を動画にしています。 🌼 音読で脳トレ&リラックスしましょ🍀

明石の入道の話を聞く源氏【源氏物語 59 第5帖 若紫3 】源氏は 明石の女人に興味を覚える。北山に滞在中、源氏は 例の山荘で愛らしい少女を見つける

「いで、さ言ふとも、田舎びたらむ。 幼くよりさる所に生ひ出でて、 古めいたる親にのみ従ひたらむは」 「母こそゆゑあるべけれ。 よき若人、童など、都のやむごとなき所々より、 類にふれて尋ねとりて、 まばゆくこそもてなすなれ」 「情けなき人なりて行か…

縁なくば 海に身投げせよと育てられた姫【源氏物語 58 第5帖 若紫2 】源氏は 明石の変わり者の入道の娘の話を聞く。

君は、 行ひしたまひつつ、日たくるままに、 いかならむと思したるを、 「とかう紛らはさせたまひて、 思し入れぬなむ、よくはべる」 と聞こゆれば、後への山に立ち出でて、 京の方を見たまふ。 はるかに霞みわたりて、 四方の梢そこはかとなう煙りわたれる…

病の源氏は北山の聖人に祈祷してもらう【源氏物語 57 第5帖 若紫1】散歩に出た時 若い女房や女童がいる僧都の屋敷を見つけた

瘧病にわづらひたまひて、 よろづにまじなひ加持など参らせたまへど、 しるしなくて、あまたたびおこりたまひければ、 ある人、 「北山になむ、なにがし寺といふ所に、 かしこき行ひ人はべる。 去年の夏も世におこりて、 人びとまじなひわづらひしを、 やが…

空蝉は夫の任地に立つ【源氏物語 56 第4帖 夕顔22 完】空蝉は夫と共に四国に旅立つことになった。源氏は多くの選別と共に空蝉の抜け殻といった夏の衣を返した

伊予介、神無月の朔日ごろに下る。 女房の下らむにとて、 たむけ心ことにせさせたまふ。 また、内々にもわざとしたまひて、 こまやかにをかしきさまなる櫛、扇多くして、 幣などわざとがましくて、 かの小袿も遣はす。 「逢ふまでの形見ばかりと見しほどに …

夕顔の法要に心を尽くす【源氏物語 55 第4帖21】何も知らず心配する夕顔の家人。源氏は妖怪の女の夢を見る。

かの人の四十九日、 忍びて比叡の法華堂にて、 事そがず、装束よりはじめて、 さるべきものども、 こまかに、誦経などせさせたまひぬ。 経、仏の飾りまでおろかならず、 惟光が兄の阿闍梨、 いと尊き人にて、二なうしけり。 御書の師にて、 睦しく思す文章博…

空蝉と軒端荻に手紙を出す源氏【源氏物語 54 第5帖 夕顔20】 伊予に同行する空蝉は源氏に便りを出す📨 源氏はどちらにも心惹かれる

かの、伊予の家の小君、参る折あれど、 ことにありしやうなる言伝てもしたまはねば、 憂しと思し果てにけるを、いとほしと思ふに、 かくわづらひたまふを聞きて、 さすがにうち嘆きけり。 遠く下りなどするを、さすがに心細ければ、 思し忘れぬるかと、試み…

夕顔と頭中将との姫君を引き取ることを望む源氏【源氏物語53 第4帖 夕顔19】夕顔の思い出を話す右近。 砧の音さえ恋しく思う源氏

「幼き人惑はしたりと、 中将の愁へしは、さる人や」 と問ひたまふ。 「しか。一昨年の春ぞ、 ものしたまへりし。女にて、 いとらうたげになむ」 と語る。 「さて、いづこにぞ。人にさとは知らせで、 我に得させよ。 あとはかなく、いみじと思ふ御形見に、 …

重態の源氏の回復【源氏物語 52 第4帖 夕顔18】左大臣の世話、さまざまな医療に祈祷のおかげか源氏は回復。右近から 内気で優しい夕顔の素顔を聞く

大殿も経営したまひて、 大臣、日々に渡りたまひつつ、 さまざまのことをせさせたまふ、 しるしにや、二十余日、 いと重くわづらひたまひつれど、 ことなる名残のこらず、 おこたるさまに見えたまふ。 穢らひ忌みたまひしも、 一つに満ちぬる夜なれば、 おぼ…

夕顔を失い 悲しみのあまり落馬する源氏【源氏物語 51 第4帖 夕顔17】 床に臥し衰弱。帝のご心痛をもったいなく思う。

惟光、 「夜は、明け方になりはべりぬらむ。 はや帰らせたまひなむ」 と聞こゆれば、返りみのみせられて、 胸もつと塞がりて出でたまふ。 道いと露けきに、いとどしき朝霧に、 いづこともなく惑ふ心地したまふ。 ありしながらうち臥したりつるさま、 うち交…

夕顔の亡骸に最後の別れを望む源氏【源氏物語 50 第4帖 夕顔16 】冷たくなっても美しく可憐な夕顔に慟哭する。右近は二条院に仕える

「便なしと思ふべけれど、 今一度、かの亡骸を見ざらむが、 いといぶせかるべきを、馬にてものせむ」 とのたまふを、いとたいだいしきこととは思へど、 「さ思されむは、いかがせむ。 はや、おはしまして、 夜更けぬ先に帰らせおはしませ」 と申せば、 この…

弱りきった源氏を支える惟光【源氏物語 49 第4帖 夕顔15】心身ともに弱りきった源氏。葬儀や、源氏の名誉を守るために抜かりなく動く惟光。右近も悲しみに沈む

「かく、こまかにはあらで、 ただ、おぼえぬ穢らひに触れたるよしを、 奏したまへ。 いとこそたいだいしくはべれ」 と、つれなくのたまへど、 心のうちには、 言ふかひなく悲しきことを思すに、 御心地も悩ましければ、 人に目も見合せたまはず。 蔵人弁を召…

頭中将の見舞いを受ける【源氏物語 48 第4帖 夕顔14】夕顔の亡骸は美しく思われた。二条院についた源氏はひどく具合が悪くなる。頭中将に会い見舞いを受ける

この人をえ抱きたまふまじければ、 上蓆におしくくみて、 惟光乗せたてまつる。 いとささやかにて、疎ましげもなく、 らうたげなり。 したたかにしもえせねば、 髪はこぼれ出でたるも、 目くれ惑ひて、あさましう悲し、 と思せば、 なり果てむさまを見むと思…

【源氏物語 47 第4帖 夕顔13】苦しく辛い夜が明け 惟光が来た。表沙汰にならぬよう 夕顔の亡骸を東山の寺に移す。源氏は嘆き悲しむ

火はほのかにまたたきて、 母屋の際に立てたる屏風の上、 ここかしこの隈々しくおぼえたまふに、 物の足音、 ひしひしと踏み鳴らしつつ、 後ろより寄り来る心地す。 「惟光、とく参らなむ」 と思す。 ありか定めぬ者にて、 ここかしこ尋ねけるほどに、 夜の…

物言わぬ亡骸となった夕顔【源氏物語 46 第4帖 夕顔 12】 夕顔の女君の身体は冷たく 息は絶えている。源氏が枕元に夢で見た女が見え、そしてすっと消えた

「いとうたて、乱り心地の悪しうはべれば、 うつぶし臥してはべるや。 御前にこそわりなく思さるらめ」 と言へば、 「そよ。などかうは」 とて、かい探りたまふに、 息もせず。 引き動かしたまへど、なよなよとして、 我にもあらぬさまなれば、 「いといたく…

魔性の女の出現【源氏物語 45 第4帖 夕顔11】魔性の女が 恨み言を言いながら女君に手に掛ける。源氏は、随身に魔除けの弦打ちを命じ、惟光を呼ぶ

「己がいとめでたしと見たてまつるをば、 尋ね思ほさで、 かく、ことなることなき人を率ておはして、 時めかしたまふこそ、いとめざましくつらけれ」 とて、この御かたはらの人をかき起こさむとす、 と見たまふ。 物に襲はるる心地して、 おどろきたまへれば…

源氏は初めて 夕顔に顔を見せる【源氏物語44 第4帖 夕顔10】夕顔も打ち解けている。六条御息所を気に掛ける。夜、枕元に美しい女が座っている

「夕露に紐とく花は玉鉾の たよりに見えし縁にこそありけれ 露の光やいかに」 とのたまへば、後目に見おこせて、 「光ありと見し夕顔のうは露は たそかれ時のそら目なりけり」 とほのかに言ふ。 をかしと思しなす。 げに、うちとけたまへるさま、 世になく、…

荒れた何某の院の庭を眺める。【源氏物語 43 第4帖 夕顔9】け近き草木などは、ことに見所なく、みな秋の野らにて、池も水草に埋もれたれば、いとけうとげになりにける所かな。

預り召し出づるほど、 荒れたる門の忍ぶ草茂りて見上げられたる、 たとしへなく木暗し。 霧も深く、露けきに、 簾をさへ上げたまへれば、 御袖もいたく濡れにけり。 「まだかやうなることを慣らはざりつるを、 心尽くしなることにもありけるかな。 いにしへ…

なにがしの院に行く源氏【源氏物語 夕顔42 第4帖 8】そのわたり近きなにがしの院におはしまし着きて‥

白き袷、薄色のなよよかなるを重ねて、 はなやかならぬ姿、 いとらうたげにあえかなる心地して、 そこと取り立ててすぐれたることもなけれど、 細やかにたをたをとして、 ものうち言ひたるけはひ、 「あな、心苦し」と、 ただいとらうたく見ゆ。 心ばみたる…

どちらかが狐なんだろうね🦊騙されていればいいじゃない【源氏物語 41 第4帖 夕顔 7】げに、いづれか狐なるらむな。ただはかられたまへかし

君も、 「かくうらなくたゆめてはひ隠れなば、 いづこをはかりとか、 我も尋ねむ。 かりそめの隠れ処と、 はた見ゆめれば、 いづ方にもいづ方にも、 移ろひゆかむ日を、いつとも知らじ」 と思すに、 追ひまどはして、 なのめに思ひなしつべくは、 ただかばか…

夕顔の女人の元に 顔を隠し変装をして通う源氏【源氏物語 40 第4帖 夕顔 6】御装束をもやつれたる狩の御衣をたてまつり、さまを変へ、顔をもほの見せたまはず、夜深きほどに、人をしづめて出で入りなどしたまへば‥

「たしかにその車をぞ見まし」 とのたまひて、 「もし、かのあはれに忘れざりし人にや」と、 思ほしよるも、 いと知らまほしげなる御気色を見て、 「私の懸想もいとよくしおきて、 案内も残るところなく見たまへおきながら、 ただ、我れどちと知らせて、 物…

中将(六条御息所の女房)にちょっかいかける源氏【源氏物語 39 第4帖 夕顔5】見返りたまひて、隅の間の高欄に、しばし、ひき据ゑたまへり。

霧のいと深き朝、 いたくそそのかされたまひて、 ねぶたげなる気色に、 うち嘆きつつ出でたまふを、 中将のおもと、御格子一間上げて、 見たてまつり送りたまへ、とおぼしく、 御几帳引きやりたれば、 御頭もたげて見出だしたまへり。 前栽の色々乱れたるを…

空蝉は夫と共に遠国に‥【源氏物語 38 第4帖 夕顔 4】「娘をばさるべき人に預けて、北の方をば率て下りぬべし」 と、聞きたまふに‥

「もし、見たまへ得ることもやはべると、 はかなきついで作り出でて、 消息など遣はしたりき。 書き馴れたる手して、口とく返り事などしはべりき。 いと口惜しうはあらぬ若人どもなむはべるめる」 と聞こゆれば、 「なほ言ひ寄れ。尋ね寄らでは、さうざうし…

不思議な 夕顔の花の女君【源氏物語 37 第4帖 夕顔3】「めざましかるべき際にやあらむ」と思せど、さして聞こえかかれる心の、憎からず過ぐしがたきぞ、例の、この方には重からぬ御心なめるかし。

「さらば、その宮仕人ななり。 したり顔にもの馴れて言へるかな」 と、 「めざましかるべき際にやあらむ」 と思せど、さして聞こえかかれる心の、 憎からず過ぐしがたきぞ、 例の、この方には重からぬ御心なめるかし。 御畳紙にいたうあらぬさまに書き変へた…

夕顔の花の女人が気になる源氏【源氏物語 36 第4帖 夕顔 2】この扇の、尋ぬべきゆゑありて見ゆるを。なほ、このわたりの心知れらむ者を召して問へ‥

「日ごろ、おこたりがたくものせらるるを、 安からず嘆きわたりつるに、 かく、世を離るるさまにものしたまへば、 いとあはれに口惜しうなむ。 命長くて、なほ位高くなど見なしたまへ。 さてこそ、九品の上にも、障りなく生まれたまはめ。 この世にすこし恨…

扇の上に乗せられた夕顔の花【源氏物語 35 第4帖 夕顔 1】白き扇のいたうこがしたるを、「これに置きて参らせよ。枝も情けなげなめる花を」 とて取らせたれば‥

六条わたりの御忍び歩きのころ、 内裏よりまかでたまふ中宿に、 大弐の乳母のいたくわづらひて尼になりにける、 とぶらはむとて、 五条なる家尋ねておはしたり。 御車入るべき門は鎖したりければ、 人して惟光召させて、 待たせたまひけるほど、 むつかしげ…

複雑な思いの空蝉 薄衣を手放そうとしない源氏【源氏物語 34 第3帖 空蝉5】かの薄衣は、小袿のいとなつかしき人香に染めるを、身近くならして見ゐたまへり。

小君、 御車の後にて、二条院におはしましぬ。 ありさまのたまひて、 源氏 「幼かりけり」 とあはめたまひて、 かの人の心を爪弾きをしつつ恨みたまふ。 いとほしうて、ものもえ聞こえず。 源氏 「いと深う憎みたまふべかめれば、 身も憂く思ひ果てぬ。 など…

残された軒端荻と源氏【源氏物語 33 第3帖 空蝉4 】この人の、なま心なく、若やかなるけはひもあはれなれば、さすがに情け情けしく契りおかせたまふ。

この人の、なま心なく、 若やかなるけはひもあはれなれば、 さすがに情け情けしく契りおかせたまふ。 源氏 「人知りたることよりも、 かやうなるは、あはれも添ふこととなむ、 昔人も言ひける。 あひ思ひたまへよ。 つつむことなきにしもあらねば、 身ながら…

空蝉は薄衣を残して去った【源氏物語32 第3帖 空蝉3】やをら起き出でて、生絹なる単衣を一つ着て、すべり出でにけり。

源氏 「静まりぬなり。 入りて、さらば、たばかれ」 とのたまふ。 この子も、 いもうとの御心はたわむところなくまめだちたれば、 言ひあはせむ方なくて、 人少なならむ折に入れたてまつらむと思ふなりけり。 源氏 「紀伊守の妹もこなたにあるか。 我にかい…

碁を打つ空蝉と軒端荻‥覗き見る源氏【源氏物語 31 第3帖 空蝉 2】何にかあらむ上に着て、頭つき細やかに小さき人の、ものげなき姿ぞしたる。

母屋の中柱に側める人やわが心かくると、 まづ目とどめたまへば、濃き綾の単衣襲なめり。 何にかあらむ上に着て、頭つき細やかに小さき人の、 ものげなき姿ぞしたる。 顔などは、差し向かひたらむ人などにも、 わざと見ゆまじうもてなしたり。 手つき痩せ痩…

紀伊守の屋敷に忍び込む【源氏物語 30 第3帖 空蝉1】さて向かひゐたらむを見ばや、と思ひて、やをら歩み出でて、簾のはさまに入りたまひぬ。

寝られたまはぬままには、 源氏 「我は、かく人に憎まれてもならはぬを、 今宵なむ、 初めて憂しと世を思ひ知りぬれば、恥づかしくて、 ながらふまじうこそ、思ひなりぬれ」 などのたまへば、 涙をさへこぼして臥したり。 いとらうたしと思す。 手さぐりの、…