2023-04-20から1日間の記事一覧
凡河内躬恒(29番)古今集 秋 下・277 ❄️ 心当てに 折らばや折らむ初霜の おきまどはせる 白菊の花 〜無造作に折ろうとすれば、 果たして折れるだろうか。 一面に降りた初霜の白さに、 いずれが霜か白菊の花か 見分けもつかないほどなのに。 凡河内躬恒 (お…
文屋朝康(37番)後撰集 秋・308 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける 〜(草葉の上に落ちた) 白露に 風がしきりに吹きつけている秋の野。 まるで糸に通してとめてない玉が、 美しく散り乱れているようだったよ。 文屋朝康 ふんやのあさ…
清原深養父(36番)古今集 夏・166 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを雲のいづこに 月宿るらむ 〜夏の夜は(とても短いので) まだ宵のうちだと思っているのに明けてしまった。 いったい月は、 雲のどの辺りに宿をとっているのだろうか。 清原深養父 きよはら…
【藤原興風】(34番)古今集 雑上・909 誰をかも 知る人にせむ 高砂の松も昔の 友ならなくに 〜年老いた私は いったい誰を友にすれば良いのだろうか。 馴染みあるこの高砂の松でさえ、 昔からの友ではないのだから。 藤原 興風 ふじわらのおきかぜ (生没年…
紀友則(33番)古今集 春下・84 ひさかたの 光のどけき 春の日にしづ心なく 花の散るらむ 〜日の光が、 のどかでやわらかく降り注ぐ春の日に、 桜の花は どうして こんなにも落ち着いた心もなく 散っていってしまうのでしょう。 紀友則 きのとものり (851…
春道列樹(32番)古今集 秋下・303 山川に 風のかけたる しがらみは流れもあへぬ 紅葉なりけり 〜山あいの谷川に、 風が架け渡したなんとも美しい柵があった。 よく見ると 流れることができないでたまっている紅葉の葉であったのだなあ。 春道 列樹 はるみ…
坂上是則(31番)❄️古今集 冬・332 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪❄️ 〜夜が明ける頃あたりを見てみると、 まるで有明の月が照らしているのかと 思うほどに、 吉野の里には 白雪が降り積もっているではないか。 坂上 是則 さかのうえ…
壬生忠岑 みぶのただみね(30番)古今集 恋・625 有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり うきものはなし 〜あなたと別れたあの時も、 有明の月が残っていました。 あなたと別れてから、 有明の月がかかる夜明けほど つらいものはありません。 壬生…
凡河内躬恒(29番)古今集 秋 下・277 ❄️ 心当てに 折らばや折らむ初霜の おきまどはせる 白菊の花 〜無造作に折ろうとすれば、 果たして折れるだろうか。 一面に降りた初霜の白さに、 いずれが霜か白菊の花か 見分けもつかないほどなのに。 凡河内躬恒 (お…
源宗于朝臣(28番)『古今集』冬・315 山里は 冬ぞさびしさ まさりける人目も草も かれぬと思へば❄️ 〜山里はいつの季節でも寂しい。 冬はとりわけ寂しく感じられる。 尋ねてくれる人も途絶え、 慰めの草も枯れてしまうのだと思うと。 源 宗于(みなもとのむ…