2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
中納言兼輔(27番)『新古今集』恋・996 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ 〜みかの原を二つにわけて流れるいづみ川。 そのいづみの名のように、 貴方をいつかみた訳ではないのですが、 どうして私は貴方を こんなにも恋しく思う…
貞信公(26番)『拾遺集』雑集・1128 小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ 〜小倉山の峰の美しい紅葉の葉よ、 もしお前に人の情けが分かる心があるならば、 散るのを急がず、 もう一度の行幸をお待ち申していてくれないか。 貞信公 ていし…
三条右大臣(25番)『後撰集』恋・701 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな 〜恋しい人に逢える「逢坂山」 「さ寝」という名のさねかずら その名に違わぬのであれば、 逢坂山のさねかずらを手繰り寄せるように、 誰にも知られず …
菅家(菅原道真)24番 『古今集』羈旅・420 このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに✨ 〜今度の旅は急いで発ちましたので、 道祖神に捧げるぬさを用意することも出来ませんでした。 この手向山の美しい紅葉をぬさとして捧げます。 ど…
大江千里(23番)『古今集』秋上・193 月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど 〜秋の月を眺めていると、様々と思い起こされ物悲しい。 秋は わたしひとりだけにやって来たのではないのだけど。 大江千里(おおえのちさと。生没年不…
文屋康秀(22番) 『古今集』秋下・249 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ 〜 山風が吹きおろしてくると、たちまち秋の草や木が萎れてしまう。 きっと山風のことを「嵐(荒らし)」いうのだろう。 文屋康秀(ふんやのやすひで。生…
素性法師(21番) 『古今集』恋4・691 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな 〜「今すぐに行きましょう」とあなたがおっしゃったので、 九月の長い夜を待っていましたが、とうとう有明の月が出る頃を迎えてしまいましたよ。 素性法…
元良親王(20番)『後選集』恋・961 わびぬれば 今はた同じ 難波(なには)なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ 〜これほど思い悩んでしまったのだから、今はどうなっても同じこと。 難波の海に差してある澪漂(みおつくし)ではないが、 この身を捨てても貴…
【源氏物語 桐壺 壱】現代語訳 源氏物語の朗読です。 リラックスしたい方、日本について学びたい方 におすすめです。 どの天皇様の御代《みよ》であったか、 女御《にょご》とか更衣《こうい》とかいわれる後宮《こうきゅう》がおおぜいいた中に、 最上の貴…