2023-04-22から1日間の記事一覧
源重之(48番)詞花集 恋上・211 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみくだけて物を 思ふころかな 〜風がとても強いので、岩に打ちつける波に 自分ばかりが砕け散ってしまうように、 (あなたがとてもつれないので) わたしの心は (恋に悩み) 砕け散るばかりのこ…
恵慶法師(47番)拾遺集 秋・140 八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり 〜つる草が何重にも重なって 生い茂っている荒れ寂れた家。 訪れる人は誰もいないが、 それでも秋はやってくるのだなあ。 恵慶法師 えぎょうほうし (生没…
曽禰好忠(46番)新古今集 恋・1071 由良の戸を わたる舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋のみちかな 〜由良川の(流れが速い)河口の瀬戸を渡る船頭が、 楫(かじ)をなくして、 行く先も決まらぬまま漂っているように わたしの恋のなりゆきも どのようにな…
謙徳公(45番)拾遺集 恋五・950 哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな 〜私を哀れだと同情を向けてくれそうな人も 今はいるようには思えません。 (このままあなたを恋しながら) 自分の身がむなしく消えていく日を、 どうすること…
中納言朝忠(44番)拾遺集 恋一・678 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし 〜もし逢うことが絶対にないのならば、 あの人のつれなさも、 我が身の辛い運命も 恨むことはしないだろうに。 藤原朝忠 ふじわらのあさただ(910~9…