我が衣手に 雪は降りつつ❄️
〜あなたに差し上げるために、春の野原に出て若菜を摘んでいる。
その私の着物の袖に雪がしきりに降りかかっている。
【光孝天皇】(830-887)
温厚な性格で学問を好んだと言われています。
陽成院(陽成天皇)のお后が、光孝天皇の姫君 綏子内親王 すいしないしんのう
陽成院(13番)筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる
の歌を贈られた方です。
若くして天皇になり、そして廃位された不遇な天皇でありましたが、
綏子内親王への思いのこもった和歌、お后の少なさから
きっと穏やかにお過ごしになられたと信じたいです🌿
陽成院の後の天皇に誰がなるかということで、多くの候補者が色めきたちました。
その中で、五十五歳という年齢でありながら、天皇にと押されたのは その人柄。
欲もなく学問や管弦を愛し、大変質素(自炊もされていたという話も残っています)
欲のないことが天皇に押されることになるとは、
世の中というものは不思議です。
黒戸は小松御門(こまつのみかど)位につかせ給ひて
昔たゞ人におはしましゝ時まさなごとせさせ給ひしを忘れ給はで
常にいとなませ給ひける間なり
御薪にすゝけたれば黒戸といふとぞ
黒戸の御所というのは光孝天皇が即位なさって
かつてただの皇子でいらしたときお料理なさったのをお忘れにならず
つねに料理をなさっていたお部屋である
薪の煙で煤けているから黒戸というのだそうだ
(第百七十六段)
お優しく優美で聡明な帝🌿
❄️ 君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ
この和歌にもその人柄が表れているように感じます🌟
【資料💠】
[http:// ]