2023-04-21から1日間の記事一覧
藤原敦忠(権中納言敦忠)(43番)拾遺集 恋二・710 逢ひ見ての 後の心に くらぶれば昔は物を 思はざりけり 〜貴方に逢ってからの 今の苦しい恋心にくらべると、 逢いたいと思っていた 昔の恋心の苦しみなどは、 何も物思いなどしなかったも 同じようなもの…
清原元輔(42番)後拾遺集 恋四・770 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは 〜かたく約束を交わしましたね。 互いに涙で濡れた袖をしぼりながら。 波が あの末の松山を 決して越すことがないように、 わたし達二人の愛も 決して変わりは…
壬生忠見(41番) 拾遺集 恋一・621 恋すてふ(ちょう)わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか 〜「恋をしている」という私の噂が もう立ってしまった。 誰にも知られないように、 心ひそかに思いはじめたばかりなのに。 壬生忠見 みぶのた…
平兼盛(40番) 拾遺集恋一・622 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は物や思ふと 人の問ふまで 〜人に知られまいと恋しい思いを隠していたのに、 とうとう隠し切れずに顔色に出てしまった。 何か物思いをしているのではと、 人が尋ねるほどまでに…。 平 兼盛 …
参議等(39番) 後撰集 恋・578 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれどあまりてなどか 人の恋しき 〜浅茅の生えた寂しく忍ぶ 小野の篠原ではないけれど、 人に隠して忍んでいても、 想いがあふれてこぼれそうになる。 どうしてあの人のことが恋しいのだろう。 参…
右近(38番)拾遺集 恋四・870 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな 〜貴方に忘れられる我が身のことは 何ほどのこともありません。 ただ神にかけて 誓ったあなたの命が、 はたして神罰を受けはしないかと、 借しく思われてなりません…