2024-01-23から1日間の記事一覧
【古文】 「さりとも、かかる御ほどをいかがはあらむ。 なほ、ただ世に知らぬ心ざしのほどを見果てたまへ」 とのたまふ。 霰降り荒れて、すごき夜のさまなり。 「いかで、かう人少なに心細うて、過ぐしたまふらむ」 と、うち泣いたまひて、 いと見棄てがたき…
【古文】 「何か、かう繰り返し聞こえ知らする心のほどを、 つつみたまふらむ。 その言ふかひなき御心のありさまの、 あはれにゆかしうおぼえたまふも、契りことになむ、 心ながら思ひ知られける。 なほ、人伝てならで、聞こえ知らせばや。 あしわかの浦にみ…
【古文】 十月に朱雀院の行幸あるべし。 舞人など、やむごとなき家の子ども、 上達部、殿上人どもなども、その方につきづきしきは、 みな選らせたまへれば、親王達、大臣よりはじめて、 とりどりの才ども習ひたまふ、いとまなし。 山里人にも、久しく訪れた…