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源氏の君 結婚😳💍🎉【源氏物語 11 第1帖 桐壷11 完】その夜、大臣の御里に源氏の君まかでさせたまふ。作法世にめづらしきまで、もてかしづききこえたまへり。

その夜、大臣の御里に源氏の君まかでさせたまふ。

作法世にめづらしきまで、もてかしづききこえたまへり。

いときびはにておはしたるを、

ゆゆしううつくしと思ひきこえたまへり。

女君はすこし過ぐしたまへるほどに、

いと若うおはすれば、似げなく恥づかしと思いたり。

 

この大臣の御おぼえいとやむごとなきに、

母宮、内裏の一つ后腹になむおはしければ、

いづ方につけてもいとはなやかなるに、

この君さへかくおはし添ひぬれば、

春宮の御祖父にて、

つひに世の中を知りたまふべき右大臣の御勢ひは、

ものにもあらず圧されたまへり。

 

御子どもあまた腹々にものしたまふ。

宮の御腹は、蔵人少将にていと若うをかしきを、

右大臣の、御仲はいと好からねど、

え見過ぐしたまはで、

かしづきたまふ四の君にあはせたまへり。

劣らずもてかしづきたるは、

あらまほしき御あはひどもになむ。

 

源氏の君は、主上の常に召しまつはせば、

心安く里住みもえしたまはず。

心のうちには、ただ藤壺の御ありさまを、類なしと思ひきこえて、

「さやうならむ人をこそ見め。似る人なくもおはしけるかな。

 大殿の君、

 いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど、

 心にもつかず」

おぼえたまひて、幼きほどの心一つにかかりて、

いと苦しきまでぞおはしける。

 

大人になりたまひて後は、

ありしやうに御簾の内にも入れたまはず。

御遊びの折々、琴笛の音に聞こえかよひ、

ほのかなる御声を慰めにて、

内裏住みのみ好ましうおぼえたまふ。

五六日さぶらひたまひて、大殿に二三日など、

絶え絶えにまかでたまへど、

ただ今は幼き御ほどに、罪なく思しなして、

いとなみかしづききこえたまふ。

 

御方々の人びと、

世の中におしなべたらぬを選りととのへすぐりてさぶらはせたまふ。

御心につくべき御遊びをし、

おほなおほな思しいたつく。

内裏には、もとの淑景舎を御曹司にて、

母御息所の御方の人びとまかで散らずさぶらはせたまふ。

里の殿は、修理職、内匠寮に宣旨下りて、

二なう改め造らせたまふ。

もとの木立、山のたたずまひ、おもしろき所なりけるを、

池の心広くしなして、

めでたく造りののしる。

 

「かかる所に思ふやうならむ人を据ゑて住まばや」

とのみ、

嘆かしう思しわたる。

「光る君といふ名は、高麗人のめできこえてつけたてまつりける」

とぞ、言ひ伝へたるとなむ。
 

🪷その夜 源氏の君は左大臣家へ婿になって行った。

この儀式にも善美は尽くされたのである。

高貴な美少年の婿を大臣はかわいく思った。

姫君のほうが少し年上であったから、 年下の少年に配されたことを、

不似合いに恥ずかしいことに思っていた。

 

この大臣は大きい勢力を持った上に、

姫君の母の夫人は帝の御同胞であったから、

あくまでもはなやかな家である所へ、

今度また帝の御愛子の源氏を婿に迎えたのであるから、

東宮の外祖父で未来の関白と思われている右大臣の勢力は

比較にならぬほど気押《けお》されていた。

 

左大臣は何人かの妻妾《さいしょう》から生まれた子供を幾人も持っていた。

内親王腹のは、 蔵人《くろうど》少将であって

年少の美しい貴公子であるのを左右大臣の仲はよくないのであるが、

その蔵人少将をよその者に見ていることができず、

大事にしている四女の婿にした。

これも左大臣が源氏の君をたいせつがるのに 劣らず

右大臣から大事な婿君としてかしずかれていたのは

よい一対のうるわしいことであった。

 

源氏の君は帝がおそばを離しにくくあそばすので、

ゆっくりと妻の家に行っていることもできなかった。

源氏の心には藤壺の宮の美が最上のものに思われて

あのような人を自分も妻にしたい、

宮のような女性はもう一人とないであろう、

左大臣の令嬢は

大事にされて育った美しい貴族の娘とだけはうなずかれるがと、

こんなふうに思われて 単純な少年の心には

藤壺の宮のことばかりが恋しくて苦しいほどであった。

 

元服後の源氏は

もう藤壺の御殿の御簾《みす》の中へは入れていただけなかった。

琴や笛の音《ね》の中に その方がお弾きになる物の声を求めるとか、

今はもう物越しにより聞かれないほのかなお声を聞くとかが、

せめてもの慰めになって 宮中の宿直《とのい》ばかりが好きだった。

五、六日御所にいて、二、三日大臣家へ行くなど絶え絶えの通い方を、

まだ少年期であるからと見て大 臣はとがめようとも思わず、

相も変わらず婿君のかしずき騒ぎをしていた。

 

新夫婦付きの女房は ことにすぐれた者をもってしたり、

気に入りそうな遊びを催したり、 一所懸命である。

御所では母の更衣のもとの桐壺を源氏の宿直所にお与えになって、

御息所《みやすどころ》に侍していた女房をそのまま使わせておいでになった。

更衣の家のほうは

修理《しゅり》の役所、

内匠寮《たくみりょう》などへ帝がお命じになって、

非常なりっぱなものに改築されたのである。

もとから築山《つきやま》のあるよい庭のついた家であったが、

池なども今度はずっと広くされた。

二条の院はこれである。

 

源氏はこんな気に入った家に

自分の理想どおりの妻と暮らすことができたらと思って

始終 歎息《たんそく》をしていた。

光《ひかる》の君という名は

前に鴻臚館《こうろかん》へ来た高麗人《こまうど》が、

源氏の美貌と天才をほめてつけた名だと そのころ言われたそうである。

 

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