かかる折にも、
あるまじき恥もこそと心づかひして、
御子をば留めたてまつりて、
忍びてぞ出でたまふ。
限りあれば、
さのみもえ留めさせたまはず、
御覧じだに送らぬおぼつかなさを、
言ふ方なく思ほさる。
こんな場合にはまたどんな呪詛《じゅそ》が行なわれるかもしれない、
皇子にまで禍《わざわ》いを及ぼしてはとの心づかいから、
皇子だけを宮中にとどめて、
目だたぬように御息所だけが退出するのであった。
この上留めることは不可能であると帝は思召して、
更衣が出かけて行くところを見送ることのできぬ
御尊貴の御身の物足りなさを堪えがたく悲しんでおいでになった。
🪷🎼悲雨 written by Notzan ACT🪷
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