この御子三つになりたまふ年、
御袴着のこと一の宮のたてまつりしに劣らず、
内蔵寮、納殿の物を尽くして、
いみじうせさせたまふ。
それにつけても、世の誹りのみ多かれど、
この御子のおよすげもておはする御容貌心ばへ
ありがたくめづらしきまで見えたまふを、
え嫉みあへたまはず。
ものの心知りたまふ人は、
「かかる人も世に出でおはするものなりけり」と、
あさましきまで目をおどろかしたまふ。
第二の皇子が三歳におなりになった時に
袴着《はかまぎ》の式が行なわれた。
前にあった第一の皇子のその式に劣らぬような
派手《はで》な準備の費用が宮廷から支出された。
それにつけても世間はいろいろに批評をしたが、
成長されるこの皇子の美貌と聡明さとが類のないものであったから、
だれも皇子を悪く思うことはできなかった。
有識者はこの天才的な美しい小皇子を見て、
こんな人も人間世界に生まれてくるものかと皆驚いていた。
🌷🎼青空と君と(Blue sky and You) by蒲鉾さちこ🌷
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