先の世にも御契りや深かりけむ、
世になく清らなる玉の男御子さへ生まれたまひぬ。
いつしかと心もとながらせたまひて、
急ぎ参らせて御覧ずるに、
めづらかなる稚児の御容貌なり。
一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、
疑ひなき儲の君と、世にもてかしづききこゆれど、
この御にほひには並びたまふべくもあらざりければ、
おほかたのやむごとなき御思ひにて、
この君をば、
私物に思ほしかしづきたまふこと限りなし。
前生《ぜんしょう》の縁が深かったか、
またもないような美しい皇子までがこの人からお生まれになった。
寵姫を母とした御子《みこ》を早く御覧になりたい思召しから、
正規の日数が立つとすぐに更衣|母子を宮中へお招きになった。
小皇子《しょうおうじ》はいかなる美なるものよりも
美しいお顔をしておいでになった。
帝の第一皇子は右大臣の娘の女御からお生まれになって、
重い外戚《がいせき》が背景になっていて、
疑いもない未来の皇太子として世の人は尊敬をささげているが、
第二の皇子の美貌《びぼう》にならぶことがおできにならぬため、
それは皇家《おうけ》の長子として大事にあそばされ、
これは御自身の愛子《あいし》として
非常に大事がっておいでになった。
少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷 https://syounagon-web-1.jimdosite.com
💠少納言チャンネルは、聴く古典として動画を作っております。ぜひチャンネル登録お願いします🌷
🪷第1帖 桐壺(きりつぼ)ぜひ ご覧ください🪷
第一帖 桐壺(きりつぼ)源氏物語 カテゴリーの記事一覧 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
- 価格: 55000 円
- 楽天で詳細を見る